トルーマン・カポーティ「ティファニーで朝食を」

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を

 村上春樹の新訳によるカポーティの古典。オードリー・ヘップバーン主演の映画のイメージが強いのだが、原作を読んでみると、ヘップバーンとは違う感じ。村上春樹の解説によると、「カポーティはヘップバーンが映画に主演すると聞いて、少なからず不快感を表したと伝えられている」とのことだが、それもわかる気持ちがする。性的な奔放さや同性愛的な表現もあり、これを原作にハリウッド映画をつくろうとしたのが不思議な気もする。小説として楽しめた。カポーティは、都会を描いていながらも、どこか南部的というか、田舎の臭いがする。