イラク治安部隊のシーア派民兵制圧は失敗?

イラクのマリキ政権が南部バスラで開始したイスラムシーア派民兵に対する掃討作戦は29日、5日目に入り、イラク政府軍の威信をかけた「単独作戦」の失敗が鮮明となりつつある。米軍は29日も前日に続き、空爆、昨年12月にバスラの治安権限をイラク側に移譲した英軍も作戦・情報面で政府軍への支援を開始した。しかし、民兵側は依然、バスラ中心部を支配下に置き、戦闘は中南部シーア派地域に広がっている。治安能力の限界を露呈したマリキ政権が自力で争乱を収拾できる可能性は少ないとみられる。

 イラク政権のシーア派民兵掃討作戦は暗礁に乗り上げている様子。米軍が空爆で支援。しかし、海外の軍隊の力を借りて、シーア派の制圧を続ければ、「米国の傀儡政権」化してしまい、政権の正統性が失われ、内戦の火を付けてしまうのではないか。イランも絡んで、ペルシア湾岸全体が不安定になる危険性はないのだろうか。