時価会計見直し論で、株が買われた?

週末の東京市場は、株高/債券安が大幅に進み、日経平均は一時、300円を超す上昇となった。ドル/円が102円台と円安方向に動いたことや米株高などの要因に加え、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が10日に金融商品の時価評価に言及し、見直しに含みを持たせた内容との見方がマーケットに出て、海外勢などからの買いが目立っていた。

 サブプライムローン問題は泥沼化しているが、ここへきて金融業界救済に時価会計見直し論が出てきた。FRBバーナンキ議長が見直し論に言及したことで東京株式市場は上昇。でもなあ。昔々、ブラックマンデーのあとに、特金・ファントラの時価会計の導入を延期して、株式市場のてこ入れを図ったことがあった。この延期報道で株価が暴騰した。でも、結局のところ、バブルの傷を深める結果になった。緊急対策としては効果があるのかもしれないけど、本質的な解決にはならないんだよなあ。時価会計は、リスクを顕在化させ、自己抑制をもたらす効果があるからなあ。時価評価を避けると、どうしても失敗を隠す方に人間は向かいがち。モラル・ハザードの温床となり、かえって、リスクを巨大化させてしまう恐れもあるんだよなあ。しかし、時価会計を見直さざるを得ないほど、傷は深いのかなあ。