畔蒜泰助『「今のロシア」がわかる本』

「今のロシア」がわかる本 (知的生きかた文庫 あ 30-1)

　一見、入門書的な文庫本なんだけど、中身は相当ディープ。地政学的視点からプーチンのロシアを解剖していく。で、ネオコンの策謀やら、ドイツの思惑やら、BCCIという怪しげな銀行やらが交錯する。目からウロコともいえる一方、深読みしすぎじゃないの、と思ってしまったりもする。地政学的視点と陰謀史観というのはどこか紙一重みたいなところがあって、ちょっと複雑な読後感。