田村秀男:経済で読む「日・米・中」関係
扶桑社新書 経済で読む「日・米・中」関係~国際政治経済学入門~
- 作者: 田村秀男
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/05/30
- メディア: 新書
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そんな中で日本はどうするのか。米国も、中国も、そしてロシアも厄介な国だからなあ。否応なく、米国について行かざるを得ないというのが現実的な選択と、この本では主張するが、しかし、サブプライムで見えてしまった米国金融のモラルハザードをどう考えるのだろう。みんなでドルを支えなければならないというのは、世界経済安定のためのコンセンサスではあるのだが、支えられることを前提にされてしまうと、経済は放埒に走ってしまう。現に、それがサブプライムだったわけだし。ここで、米国の問題を先送りして、その先に一体、何があるのか。米国のパシリとして良い生活はさせてもらってきたわけだけど、もう歳をとって、そう身軽に走り回れるわけでもなく、新しいパシリとして新興国のほうが元気がありそうだし、仕えてきた親分のほうもパシリにどれだけの分け前をくれるか、わからないし・・・。米国と離れることができないのは当然としても、どの程度の距離感を持つのか、あるいは、副収入を稼ぐ手だてを考えるのかーーなどなど、日本も難しい時期だなあ、と考えさせる本だった。