海外メディアが東京支局撤収?日本が地盤沈下?

 朝、新聞を読んでいたら、SAPIOの見出しにこんなものがあった。

 「記者クラブ」の閉鎖性に呆れた海外メディアの「東京支局撤収」が始まった

 海外メディアの東京支局が減っているという話は聞いたことがある。「記者クラブの閉鎖性」のためならば、まだいいのかもしれない。それよりも、心配なのは日本にニュース価値を認めなくなってしまったためではなかろうか。
 たとえば、英フィナンシャルタイムズ(FT)のサイトを見てみると・・・
 http://www.ft.com/home/asia
 右端に世界の株式指数のコーナーがあるのだが、これがロンドンのFTSE、米国のDOW、そして、その次が東京ではなくて、香港のHANG SENG(ハンセン)指数なのだ。さらに、もうひとつ、株式指数が紹介されているが、これがドイツのDAX日経平均でも、TOPIXでもないのだ。FTは中国に力を入れているから、そのためかと思ったりもするのだが、米CNBCのサイトを見ると・・・
 http://www.cnbc.com/
 こちらは左上に株式指数コーナーがあって、米国、アジア、欧州のタブがあるのだが、アジアを選ぶと・・・。トップはやはりハンセン指数なのだ。日経平均は2番目。う〜ん。もちろん、日経平均など東京株式市場の動きが世界で注目されていることは確かなんだが、アジアの株式指標として中国が日本から主役の座を奪いつつある。
 経済分野で中国やインドの動きが重要になってくると、取材の拠点は東京より香港やシンガポールの方がいいのかもしれない。中国、インド、ベトナム、タイなどをカバーするには、東京は「極東」で足場が悪い。中東、アフガニスタンパキスタンをカバーするのならば、ドバイの方がいいのかもしれないし。
 結局のところ、「東京撤収」は記者クラブがどうのこうのというより(それもあるのかもしれないが)、日本の地盤沈下のほうが主因じゃないだろうか。今回の金融危機にしても、米国のポールソン財務長官は中国への感謝は語っても、日本について特に言及したという話はあまり聞かないもんなあ。こんな具合に。

ポールソン米財務長官は21日、世界的な金融市場の混乱収拾に向け、中国が協力する姿勢を示していることを称賛した上で、米国の次期大統領は中国との積極的な経済対話を継続すべきだとの見解を示した。