渡部千春+サラ・ティズリー「20世紀デザイン ヒストリー」

20世紀デザインヒストリー

20世紀デザインヒストリー

 1900年のパリ万国博覧会から2000年のスーパーフラット展まで20世紀のデザインのエポックメーキングな出来事が和洋とりまぜ紹介されいている。日本で言えば、資生堂の広告のデザインワークも含め、ポスター、建築、工業デザイン、タイポグラフィーなど、あらゆるデザインが対象になっている。ガウディも、バウハウスも、イームスも、アールデコも、フランク・ロイド・ライトも、ライカも、ナチスソ連プロパガンダも出てくる。で、これを見ていて思うのは、「Vogue」は1920年代からアートだったんだなあ。また、今の地下鉄の路線図の原型は、1933年にヘンリー・ベックがつくったロンドンの地下鉄の路線図だという。それまでの路線図は地図の上に描いたモノで、それを今のラインだけで表現するデザインはベックが考案したものだという。今では当たり前のように思えるけど、これこそ、まさにデザイン上の革新だったんだなあ。それと、もうひとつ年代を見ていて気がついたのは、T型フォードが発表されたのは1908年。今から、ちょうど100年前だったのだ。大量生産によって自動車の大衆化を実現したT型フォードから100年、自動車産業金融危機と環境問題を前に転機を迎え、フォードは存亡の危機に瀕している。100年の重みを感じるなあ。