リコー GR Digital II

　田中長徳氏の「晴れたらライカ、雨ならデジカメ」を読んで、カメラ熱に火がついた。で、本当ならば、ライカへと突き進むところなんだろうけど、これからフィルムの世界に戻るのも、さすがにつらい（というか、そこまでは･･･）。ということで、リコーのデジカメ「GR Digital」へと物欲は向かい･･･。結局、買ってしまった･･･。この広角28ミリ（35ミリカメラ換算）一本という世界に魅了された形。便利さからいえば、ズームなんだが、便利さだけならば、既にズームでコンパクトなLumixを持っているし、手軽さからだけならば、ケータイの画素数もかなりのもんだから、別にそれでもいい。
　ということで、制約を快楽として、ここは広角一本勝負かなと。広角はどこか対象と距離を置く感じがするし、反対に、もし対象を大きくクローズアップして撮りたいのならば、自分が近づいていかなければらないという、その潔さ、ストイックさみたいなものに、ちょっと惹かれてしまった。ジェフ・ブリッジスが撮影現場を撮った写真集（「Pictures by Jeff Bridges」）があるが、これは28ミリ・レンズの35ミリ（フィルム）カメラで撮影したと前書きに書いてある。この本に出てくる写真の面白さを演出している、ひとつの要素は広角の画面（おまけにシネラマ風の横長画面）。
　そんなこんなで、GR Digital IIを買ってしまった。そんなユーザー心理を見越したように、カメラが入った箱は黒でアップルの箱にみたいにおしゃれだし、解説書は持ち歩きしやすいように文庫版の大きさ。良くできているなあ。で、買ってしまうと、今度はレンジファインダーカメラ風に、外付けのミニファインダー「GV-2」が欲しくなったりする。だんだん深みにはまっていきそうだなあ。まあ、形から入るタイプだからなあ。もう気分は（GRを使っている）森山大道氏なんだけど。

Pictures by Jeff Bridges