阿久悠、佐藤秀明「路地の記憶」

路地の記憶

路地の記憶

 日本全国の路地の春夏秋冬を撮した佐藤秀明の写真とエッセイに、阿久悠の詩(この本では「詞」と書かれているが)がついた写真集。路地の風景も、阿久悠の詩もいい。あの写真も、この写真も日本だなあ。路地の写真を見ていると、「生きる」ということの愛おしさ、美しさ、切なさを感じるなあ。それに阿久悠の詩が合う。この本の編集者の鍋倉孝二郎の後書きもいい。編集者の後書きというのも珍しいが、佐藤秀明の写真と阿久悠の詩を組み合わせた映像詩を企画したのは鍋倉氏のようだから、それもいいのかも。