ポール・オースター「わがタイプライターの物語」

わがタイプライターの物語

わがタイプライターの物語

 ポール・オースターは今でもタイプライターを使っているのだ。その愛用のタイプライターとオースターをサム・メッサーが油絵で描く。タイプライターだけでもアートになるんだなあ。その絵に、ポール・オースターが文章をつける。この文章がまた良い。訳者あとがきを入れても79ページという小冊子だが、心が温かくなる本。タイプライターのリズムがオースターの文章のリズムをつくっていくのだろうか。