全光榮展(森美術館)

全光榮の作品は、韓紙(ハンジ)という韓国固有の伝統技術によって作られる紙でくるまれた三角形の小片で、キャンバスを埋め尽くすというもので、包み(wrapping)と組み立て(assembling)が基本となっています。そうしてでき上がった造形は伝統的で作家自身のルーツと深く関わる素材に相反し、極めて現代的でダイナミックなものになっています。

 韓国のコンテンポラリー・アーティスト全光榮(チョン・クァンヨン)の作品展。「チャロー!インディア」とと同時期の開催で、こちらも見る。全の作品についてパンフレットで、もう少し詳しく見ると・・・

 楮(コウゾ)を原料とする韓紙で三角形のポリスチレンフォームを包み、それを同じ韓紙の紐で括って、天然の染料で染め上げたセルを木枠にはめ込んでいく。絵画でありながらレリーフのような彼の作品は、何千というこのセルが組み合わされてひとつの作品を構成する。

 レリーフも面白かったが、それ以上に、立体的なオブジェがインパクトがあった。