城田真琴「クラウドの衝撃」

クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった

クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった

 最近話題のクラウド・コンピューティングのお勉強。クラウドでは、この本が最も売れているみたいだが、確かに、この本は良い。事例も豊富で、いまのところ、これが決定版かも(といっても、まだ2冊しか読んでいないが・・・)。ユーティリティ・コンピューティングやグリッド・コンピューティングと何が違うのか、オープンソース・ムーブメントととの関係、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、HaaS(Hardware as a Service)といった形態、障害を前提にしたシステム、GoogleAmazonクラウド・サービスで使われているソフト(オープンソース系)とは何か、また、企業で利用する場合の問題とか、知りたいと思っていたことがほぼ全て解説されている。
 梅田望夫氏が「あちら」の世界といっていたのが、クラウドだったんだなあ。新世代のコンピューターの主役が、ネット企業というところも既に「ウェブ進化論」で指摘されていた。英Economist誌は、クラウドのことを「next big thing」と書いていたけど、クライアント・サーバー、インターネットが登場してきたのと同じ衝撃をもたらすかというと・・・。頭ではわかるんだけど、皮膚感覚として、もうひとつ断言できない感じ。Blogが出てきたとき、パソコン通信世代の人たちは「掲示板型の日記」じゃないかと軽視していたけど、「クラウド」を「ユーティリティ・コンピューター」「中央計算センター」じゃないかというのも同じような旧世代感覚で考えているからだろうか。パラダイムシフトなのかどうか、その見極めをつけるまで「お勉強」をしようか。