トーマス・フリードマン「グリーン革命」
- 作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/03/20
- メディア: 単行本
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エネルギー気候紀元の物語は、温暖化、フラット化、人口過密化という、史上最大の嵐が起きてそれで終わりというわけにはいかない。温暖化、フラット化、人口過密化が重なることで、五つの大きな問題ーーエネルギー需要と供給、石油独裁主義、気候変動、エネルギー貧困、生物多様性の喪失ーーが、ティッピング・ポイントをはるかに超えて、地球も人類もいまだかつて経験したことがない新しい領域に突入しようとしている。
で、エネルギー効率を高めるためには、「スマート・グリッド」というか、「エネルギー・インターネット」というか、情報技術とエネルギー技術の融合が求められるとか、イノベーションの価値、公益企業の規制のあり方(今の政策・規制では、電力会社は、効率化よりも、設備投資にインセンティブが効く仕組みになっている)、税制などによるグリーン市場の活性化(これはハイブリッド車の優遇税制など日本でも始まっている)、省エネ化で大ヒットしたディーゼル機関車の話などなど、具体的かつ斬新な事例がいくつも紹介され、アンダーラインを引いていたら、アンダーラインだらけになってしまった。ともあれ、斬新な視点と刺激的な論点を提供し、グリーン革命の出発点になる本。この分野の必読書であり、最良の啓蒙書といっていい。