日経コミュニケーション編「iPhoneの本質 Androidの真価」

IPHONEの本質 ANDROIDの真価

IPHONEの本質 ANDROIDの真価

 2008年9月に開催された「オープンモバイル・コネクション2008」の講演、パネルディスカッションの記録。iPhone用アプリを開発・販売している中島聡氏から始まり、KDDIDoCoMoに至るまでモバイル業界関係者のiPhoneとAndoridをめぐる議論が刺激的で、面白い。ただ、GoogleAndroidのほうは、まだコンセプト先行という感じが強くて、クラウドも含めての可能性に関する議論。一方、iPhoneのほうは既にApp Storeなど流通も含めて現実にビジネスが動き始めている話とあって、こっちは講師もパネラーも力が入り、熱気がある。読んでいると、これは実際に試してみないといけないなあ、という気分にさせるが、現行バージョンのiPhoneはコピペもできないと読むと、まだ、ちょっと早いなあ、という気がしてくる。PCに例えて、iPhoneMacで、Androidのほうは、IBM-PCというか、MS-DOSというか、Windowsというか、いわゆるMS的PCの世界を想起させる。Aondroidがブレークして、プラットホームになるのか、それともiPhoneMac的世界にはまり込まずに、iPodのようにモバイルの世界を席巻してしまうのか、今後が楽しみ。ただ、わかっているのは、今のような携帯電話ではなくて、もっとオープンな開発環境とビジネス環境を提供してくれるモバイル端末が勝つということなのだろうなあ。しかも、クラウドで機能するような端末。このあたり、iPhoneも課題を抱えているのかも。Appleクラウドに買い込もうとしている感じだし。