中村浩美:写真の歴史入門 第4部「混沌」 現代、そして未来へ
写真の歴史入門 第4部 「混沌」現代、そして未来へ (とんぼの本)
- 作者: 中村浩美,東京都写真美術館
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/09/15
- メディア: 単行本
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一方、欧州のほうが写真としての面白か、美しさがあった。ヘルムート・ニュートンの有名なシャーロット・ランプリングの写真、ジョセフ・クーデルカの「ルーマニア」、セバスチャン・サルガトの「セラ・ペラダ金脈、ブラジル・パラ州」、在欧日本人カメラマンの田原桂一「『窓』より」など芸術性が高い。ベルト&ヒラ・ベッヒャーの「9つの戦後の家」、トーマス・シュトルーツ「島田家」、マーティン・バー「テネリフ、『スモール・ワールド』より」はプロジェクト的な現代アート。ベネトンの広告写真(エイズの写真が有名)を撮っていたオリビエーロ・トスカーニも印象に残る。欧州勢は国の多様さもあるだろうが、多彩。
日本勢は荒木経惟、森山大道が登場。収録されていた作品で印象的だったのは、伊奈英次「在日米軍空軍三沢基地第6920電子保安軍、青森県三沢市、『ZONE』より」(現代戦の最前線で、いわばバーチャルな戦場写真ともいえるんだが、幻想的で美しい)、米田知子「谷崎潤一郎の眼鏡、松子夫人の手紙を見る、『Between Visible and Invisible』より」(繊細)。
写真は、いいなあ。