『「4つの物語」コレクションと日本近代美術』展と川村美術館

 リニューアルしてから初めて川村美術展に行く。企画展は「4つの物語」。内容は以下の通り。

本展は、川村記念美術館のコレクションから選んだ欧米絵画を起点とする4つの柱をもとに、それらとの間に影響関係や類同性が見られる明治以降の絵画を並置することで、日本近代絵画の多角的な理解をめざすものです。同時に、当館のコレクションを日本近代の名品との比較によってあらためて見つめなおすことも企図しています。どこが同じでどこが違うのか、日本の画家たちが独自の表現に至るにはどんな背景があったのか―

 ということで、4つのストーリーは・・・

1.レンブラントと絵画技法の摂取/展開ーー肖像とリアリズム
2.ルノワールと日本の油絵ーー裸婦と家族の肖像
3.マレーヴィッチ、ヴァントンゲルローと同時代の抽象絵画
4.ヴォルス、ポロックと戦後美術ーー運動と物質

 ルノワール梅原龍三郎、山下新太郎など、どのような影響を受け、そして、そこから抜け出して、どのように独自の画風を確立していくかが見えて面白かった。欧米絵画と日本絵画の相互作用が見える。
 ただ、この企画展以上に、常設展が良かった。マーク・ロスコの「シーグラム壁画」を収納したロスコ・ルーム、バーネット・ニューマンの「アンナの光」を収めたニューマン・ルームはいずれも作品のために美術館自体が設計されており、インパクトがあった。このほか、フランク・ステラやモーリス・ルイスの作品群も刺激的だった。どうも最近は古典よりも、こうした現代アートの方が琴線に触れる。
【参考】
・川村美術館のオフィシャルページ
 http://kawamura-museum.dic.co.jp/museum/index.html
マーク・ロスコ
 http://kawamura-museum.dic.co.jp/collection/mark_rothko.html
・バーネット・ニューマン
 http://kawamura-museum.dic.co.jp/collection/barnett_newman.html
フランク・ステラ
 http://kawamura-museum.dic.co.jp/collection/frank_stella.html