クローバーフィールド

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

　J.J.エイブラムスの映画ということで、いつものように、こけおどし的コンセプト先行型だし、ホームビデオ風記録映画という設定も「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のノリだし、羊頭狗肉映画ではないかと思ったのだが、これが意外と面白かった。（で、ここからはネタバレ）
　この映画、ゴジラみたいな怪獣に襲われた都市の住人がビデオカメラで撮っていたら、どうなるか、という話。普通の映画のように視点が自由自在に設定できず、地上の人間の目線というところが面白いし、妙にリアル。ヘリコプターに乗ったり、高層ビルに登ったりするので、俯瞰ショットも出てくるのだが、他の場面は禁欲的に下から目線。最初はカメラはぶれるし、ホームビデオでの展開という設定も臭い話なので、途中で飽きてしまうんじゃないかと思ったのだが、怪獣の襲撃からは一気呵成で最後まで引っ張られた。1時間半ぐらいの最近にしては短い映画だが、この方式で観客が耐えられる限界値と計算したのだろう。怪獣の方は、まあかなり怪しげで、巨大怪獣だけではなくて、ミニミーみたいにエイリアンの小型版が襲ってきたり、かなり、ご都合主義なんだけど、それもまあ許せる範囲。リリー役のジェシカ・ルーカス（Jessica Lucas）、ベス役のオデット・ユーストマン（Odette Yustman）、マリーナ役のリジー・キャプラン（Lizzy Caplan）と女優陣が魅力的なのも、この映画の良さかも。ともあれ、やるならば、徹底してやることが大事という映画で、好き嫌いがはっきりしそうだけど、わたしゃ、好きだな。