スウェーデン、
デンマーク、
ノルウェー、
フィンランドの歴史を概観する。バイキングから第2次大戦後までを人物を中心に駆け足で巡る。北欧は知っているようで知らない国。
デンマークは、その位置が今ひとつ、はっきりしなかったのだが、歴史を読んでいてくと、4カ国の位置関係も飲み込めてくる。欧州の北端に位置しながらも、北欧諸国はロシア、ドイツ、英国、フランスなど欧州列強のパワーゲームに翻弄される。ロシア(
ソ連)に隣接した
フィンランドの悲劇は有名だが、
スウェーデンなどは北端にいるから、中立が守れたのかと思ったら、それほど単純な話ではない。列強の中で、中立・独立を維持するには、それはそれで艱難辛苦の歴史だったのだな。英国は離れているようでいて、海洋国家であるために
海上貿易に脅威を与える。陸だけではなく、海の視点も必要なのだな。しかし、これだけ人口の少ない地域で、
イプセン、
ムンク、
アンデルセン、ノーベル、ナンセンなど、文化、政治、経済に世界的な偉人がこれだけ登場するというのも、すごい話だなあ。
フィンランドに、なぜ
ノキアが生まれ、リーナス・トー
バルスが生まれたのか、この辺も気になるところ。1993年出版の本なので、
金融危機・財政危機克服の過程については未収録。このあたりを知るのは別の本か。