名古屋市美術館

 小振りだけど、なかなか良い美術館だった。「現代の芸術」、「エコール・ド・パリ」、「メキシコ・ルネサンス」、「郷土の芸術」の4つのコーナーで構成されている。現代アートでは、フランク・ステラのオブジェ、アンゼルム・キーファーの「シベリアの王女」、ナムジュン・パイクのロボット、エコール・ド・パリでは、モディリアーニの「おさげ髪の少女」、シャガールエッチングが印象的だった。メキシコ絵画は、シケイロスとかフリーダ・カーロとか名前は知っているものの、本物を見ることがあまりなかっただけに、欧州や日本とは違う迫力を感じる。メキシコをコレクションしたことは、美術館の個性となっているな。
 で、最後にある「郷土の芸術」はあまり期待していなかったのだが、ここにあった三岸節子の「雷が来る」に心を奪われる。これが74歳のときの作品とは、とても思えない。しかも、フランスに初めて渡ったのが49歳、フランスに移住したのが63歳。瑞々しい感性をずっと失わなかった人なのだろうか。人物そのものがすごい。こうした作品との出会いが、美術館を訪ねる楽しみであるなあ。
名古屋市美術館のオフィシャルサイト
 http://www.art-museum.city.nagoya.jp/index.shtml