ハル・ベリー、自らを語る

 アクターズ・スタジオ・インタビューに、ハル・ベリーが登場(NHK-BSで放映していたのを録画して見る)。美人だし、ミスコンから順調に映画界に進んだ人かと思ったら、黒人と白人の混血で、黒人社会からも白人社会からも疎外されていたとは知らなかった。父親がアル中で凶暴、離婚した母親に育てられるが、母親は白人。幼少時は黒人地区で暮らし、母親が白人と仲間外れにされ、母親が娘に、良い教育環境を、と白人地区に引っ越せば、今度は白人から仲間外れといった具合。高校のプロム・クイーン・コンテストでは、トップになったのに、校長に呼ばれて、投票に不正を働いたんだろうといわれる。母親が学校に怒鳴り込み、くじで選ぶことになり、それでも勝ったのだとか。母親が相当、しっかりした人だったんだなあ。でも、人生そのものがドラマだなあ。デンゼル・ワシントンと同じ年にアカデミー賞を取ったが、見た目では、デンゼル・ワシントンが苦労人で、ハル・ベリーは苦労知らずに見えるんだけど、実際は反対だったんだなあ。デンゼル・ワシントンは差別を受けた経験はあまりないような話をしていた。
 しかし、デビュー作は、スパイク・リーの「ジャングル・フィーバー」だったのか。あの映画では、サミュエル・L・ジャクソンが強烈だったけど、ハル・ベリーが出ていたとは気がつかなかった。麻薬中毒役で、汚かったからかも。スパイク・リーから役をとるために、1カ月に風呂に入らなかったというのも、すごいけど。結婚生活を含めて、私生活は最悪だったんだなあ。そうしたなかで、「007」で共演したピアース・ブロスナンは本当の紳士だったとか。ともあれ、ハル・ベリーの人生は波瀾万丈物語。わからないもんだなあ。で、映画というと、「チョコレート」から「キャット・ウーマン」まで幅が広く、何でも出るみたいなところもあるから、マイケル・ケインみたいになっていくんだろうか。