フィクサー

フィクサー [DVD]

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 原題は「Michael Clayton」。マイケル・クレイトンは主人公の名前で、大手法律事務所の汚れ役。表に出来ない事件の後始末担当。大手農薬メーカーの薬害問題担当の弁護士が、汚い仕事に耐え切れなくなってノイローゼになり、原告側に内部情報を流そうとしたところから、事件は始まる。農薬メーカーの女性法務部長を演じたティルダ・スウィントンがアカデミー助演女優賞をとっているが、タフな法務担当になろうと焦って、その結果、殺人指令を出すことになってしまう。組織の悪が生まれるのは、強いからではなく、弱いから、という繊細さを演じていたところが、オスカーをとった決め手だろうか。上司から良く思われたいとか、成績をあげたいというところから、自分はどう期待されているか、と思って、行動していると、とんでもない非人間的な結末をもたらしてしまう。アウシュビッツをもたらしたナチス官僚とか、どこでも、いつでも起こりうることかも。とか考えさせる映画だけど、何と言ってもジョージ・クルーニーは渋く、格好いい。