横尾忠則「Y字路」

横尾忠則 Y字路

横尾忠則 Y字路

 横尾忠則の代表的モチーフである「Y字路」を集めた画集。Y字路は、横尾の記憶と想像の中から生まれた世界かと思ったら、現実のY字路を題材にしている。その写真も作品と一緒に載っている。ただ、そこで、ひねりがあるのは、絵のY字路は、複数のY字路を組み合わせた風景で、現実には存在しないこと。中央と左右3つのパーツが、それぞれ別の場所から選ばれている。夜のY字路、昼のY字路、幻想のY字路など、横尾忠則の世界を味わえる。しかし、Y字路になぜ惹かれるのだろう。人生の岐路を思い起こさせるからだろうか。左右、どちらを選ぶかで、人生が変わる。その先に何が待っているのか、どちらの道を選ぶのか、絵を見ているだけで、その先にある世界をつい考えてしまうからだろうか。