頭上の敵機

頭上の敵機 [DVD] FRT-049

頭上の敵機 [DVD] FRT-049

 グレゴリー・ペック主演の戦争映画。テレビで何度も見た覚えがあるのだが、途中からの鑑賞がほとんどだった。今回、最初からきちんと見てみると、随分、印象が違った。特にグレゴリー・ペックの指揮官がスパルタ方式で部隊を立て直すために基地に乗り込む前のシーン。部下にタバコを分けて、火をつけてやるところで、本来の優しい性格の持ち主であることが描かれている。ここを見逃していたのだが、この場面があるのとないのとでは、かなり変わってくる。義務感から突っ張って、突っ張って、ついに壊れてしまうというのが、このシーンがあることで生きてくる。それと改めて見ると、勇壮な戦争映画と言うよりも反戦映画的な色彩を持っている。この頃の映画は意外と表現が繊細なんだんなあ。1950年の製作ということは、第2次大戦の記憶も生々しい頃。指揮官が精神的プレッシャーで破綻してしまう話でもあるわけで、これは戦後5年ぐらい経たないと描けなかったのだろうなあ。