ワールド・オブ・ライズ

 レオナルド・ディカプリオラッセル・クロウ主演、リドリー・スコット監督で、中東での対テロ情報戦争を描く。クロウが体重を増やして、米国中心主義で、いかにも嫌われる独善的アメリカ人を演じている。ディカプリオは、中東を(イスラムの女性も)愛してしまう役柄。ヨルダンの情報機関のトップが、マーク・ストロング。クールな役。展開はスピーディで、よく出来ているんだけど、この手の映画では、やはり「シリアナ」のほうが優れている。まあ、娯楽映画で、味付けとして中東に対する良心の呵責なんだろうけど、中東の状況に理解を寄せる風を装いつつ、でも、どこかハリウッド的なんだな。ディカプリオもいいんだけど、「ブラッド・ダイヤモンド」のほうが深みがあった。
 「スパイ・ゲーム」の監督もリドリー・スコットかと思ったら、こちらは弟のトニー・スコット。兄弟で、スパイ物を作っているんだな。で、CIAの先輩がロバート・レッドフォードだと信頼できて、ラッセル・クロウだと、同じCIAにいても敵か味方か、わからないということか。