- 作者: 鈴木孝憲
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/06
- メディア: 単行本
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ただ、豊かな国土に恵まれ、一次産業での優位性はわかるのだが、二次産業、三次産業についての実力については、この本を読んでも、もうひとつ、わからなかった。中国・インド・ロシアに比べて制度面で優位というが、インフラ、労働制度、税制などでは、むしろ問題点が目立つように思えた。中国・インドは、混沌としながらも、成長へのエネルギーがあるが、そのあたりがわからない。公務員天国にも見えるし、ロシア同様、一次産品の高騰に助けられている部分が大きいのではないかと思える。中国・インドが存在感を見せ始めた情報産業などはブラジルでは、どうなっているのだろう。さらに別の本を読んでみたくなった。
とはいえ、現代のブラジル経済について、まとまった本がない中で、貴重な本。ブラジルが独自技術を持つ分野というのも、これで初めて知った。具体的には、以下のような分野。
・深海底油田開発・採掘技術
・大型土木建築技術
・バイオエタノール技術
・ユーカリ植林技術
・航空機製造技術
最後の航空機を除くと、やっぱり一次産業志向だなあ。