グラン・トリノ
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: DVD
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「グラン・トリノ」は「許されざる者」同様、自分の人生に向き合う映画。「許されざる者」の主人公はガンマンだったが、この映画の主人公は市民。人生と老いを見つめる。ラストは予想外。そうか、こういう結末があったか。イーストウッドが描く人生は甘くない。厳しい。親父が言うような「ビタースイート」などという言葉を許さない。しかし、絶望はしないし、希望も夢も否定しない。暗さも明るさも、喜びも悲しみ怒りも、若さも老いも、あるがままに受けて入れていく透明感がある。こうした映画をとるところまで成熟してきたのだなあ。
俳優はアジア系が中心ということもあり、有名な俳優はほとんど出ていない。低予算で作りたかったのだろうけど。その中で、ひとり見覚えがあったのが、理髪店主人役のジョン・キャロル・リンチ。「ファーゴ」で、フランシス・マクドーマンドのト夫を演じていて、これがなかなかトボけた味で良かった。しかし、この映画で、イーストウッドにアカデミー主演男優賞をあげたかったなあ。
・「グラン・トリノ」予告編