鹿島茂「文学的パリガイド」

文学的パリガイド (中公文庫)

文学的パリガイド (中公文庫)

 エッフェル塔、ルーヴルからサン=マルタン運河、マレ地区に至るまでパリの24名所の歴史と、そこを舞台にした文学について鹿島茂が紹介する。「シャン=ゼリゼあるいはプルースト」「ノートル=ダム大聖堂あるいはユゴー」「凱旋門あるいはモーパッサン」というように、ひとつの地区をひとりの作家と結びつけているところも洒落ている。これを読んでから、パリに行くのだった。帰ってからでも当然、面白いが、もう一度、行きたくなる。加えて、ここで登場する作品を読んでみたくなる。「文学的パリガイド」であると同時に、「パリ的フランス文学ガイド」でもある。