私たちの生涯最高の瞬間

私たちの生涯最高の瞬間 通常版 [DVD]

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 スポーツ映画はいろいろあるが、ハンドボールがテーマの映画は珍しい。この映画は、2004年のアテネ・オリンピックで銀メダルをとった韓国・女子チームの物語。決勝戦は延長戦でも決着がつかず、サッカーで言うPK戦にあたる7メートルスローコンテストまで持ち込まれる大激戦で、韓国ではテレビ中継の視聴率が60 %に達したという。そうなると、ハンドボールは韓国ではメジャースポーツなのか、と思うと、そうでもなくて、選手もチームも大変。その悪戦苦闘が描かれた映画で、最後にはハンドボールへのサポートを訴えるように、実際の試合後の監督・選手のインタビューが流れる。
 ヒロインのひとりは、日本のチームで監督をしていてオリンピックのための韓国に帰ってくる。このモデルは、広島メイプルレッズの林五卿(イム・オキョン)さん。92年のバルセロナで金、96年のアトランタで銀をとった韓国代表のメンバー。広島県日韓親善協会のサイトに『女子ハンドボール 銀メダル 林五卿さん、呉成玉さん「アテネを語る」』という記事がある( http://www.jakof.jp/sub76.htm)。アテネ五輪が終わった2004年9月の記事なので、まだ映画化の話はなかったのだろうな。
 ハンドボールの場面は、俳優陣がやっているところは、やはり素人風。カメラワークの力で頑張っているが、本物のハンドボールの迫力とは違う。オリンピックに向けての選手たちが抱えた事情やベテランと若手のチームワーク、トレーニングに重点を置いた人間ドラマなので、まあ、このあたりはご愛敬とも言える。本物の迫力はエンドタイトルで映しだされる実際の選手たちの試合写真で知ることができる。で、実際の試合の方も見てみたくなる。
参考】WOWOWの作品紹介
 http://www.wowow.co.jp/pg/detail/021643001/index.php