関沢英彦『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」』

いまどきネットだけじゃ、隣と同じ! 「調べる力」 (アスカビジネス)

いまどきネットだけじゃ、隣と同じ! 「調べる力」 (アスカビジネス)

 マーケティング担当者のための「調査術」入門といった本。ネットだけではなく、本を読むこと、街を歩くことの重要性を指摘する。特に図書館が発想の宝庫であることは共感する。図書館を歩いていると、いろいろな本に出会うし、そこからアイデアも湧いてくる。
 目次で内容を見ると、こんな具合...

はじめに 「情報洪水」から脱出をはかる
1 「調べる力」で必要なのは、「糸口さがし」と「犯人さがし」の2種類。
2 ネットで「調べる」のは、本当に効率がいいか?
3 「調べる力」がつくと、マーケティングに強くなるのは本当か?
4 「調べる力」を磨いていけば、「企画する力」が3割高くなる。
5 ウェブの本当に効果的な使い方。
6 今の図書館は、昔の図書館ではない。
7 「糸口さがし」に効果。リアル世界ジョギング。
8 3分か3時間か? 300円か3万円か? 条件で、調べ方も変わる。

 ここで面白かったのは8章。時間と金額、つまりコストによって調査できる手段も変わってくることを具体的な例をあげて説明する。3分でできることから始まり、30時間調査に時間をかけられるならば、特命プロジェクトのレポートがまとめられるし、300時間ならば大学院修士並みの専門家になれるという。
 また、金額では、300円あれば街角でコーヒー飲みながらトレンドウォッチング、3000円ならばランチに人を誘って情報を仕入れ、3万円出せるんだったら、本のオトナ買い、30万円あるなら、海外に出かけて見聞を広め、300万円あるんだったら調査会社にアンケートを頼めるというのも面白い。なるほど、これは言われてみれば、その通り。金も時間もコストパフォーマンスを考えて、調査しないと、ネットサーフィンをしているだけで終わってしまう。
 文中、重要な部分はゴチックになっており、すぐに読めてしまう本。