- 作者: 指南役
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: 単行本
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本書は「いかに情報を集めないか」「集めるにしても、いかにラクをするか」に主眼を置いた、これまでに画期的な情報収集ノウハウ本。もう、本の山とはオサラバだ。ーーおっと、この本を除いてね。
ということになる。で、内容を目次で見ると...
プロローグーー情報の洪水から身を守るために
①収集より経験 ②情報は向こうから来る
③本棚は国会図書館、マガジンラックは大宅壮一文庫
④新聞はラク ⑤最初が肝心
⑥定点観測 ⑦塵も積もれば
⑧人間図書館 ⑨六本木ではなく、北千住
⑩100人のコピペより1人のイブ ⑪百聞は一見にしかず
⑫東京のことは地方人に聞け ⑬ダイヤの原石
⑭前じゃなく、後ろを見よ ⑮メモのコツ
⑯後藤新平に学ぶ
エピローグーーコレクターと考古学者以外の人たちへ
本棚は国会図書館、マガジンラックは大宅文庫というのは納得。国会図書館とまではいかなくても、最近の図書館はネット対応も進んでいて、インターネットで蔵書検索ができたりする。確かに本棚がわりに使える時代になっている。一方で、新聞については過大評価、ネットについては2チャンネルが全ての代表みたいで、こちらは過小評価という気もした。
執筆を担当とした「指南役」は、ホイチョイ・プロダクションズのブレーンも務めているエンタテインメント企画集団。それだけに発想はマーケティング目線という感じがするし、80年代バブルの旧来型広告メディア黄金時代を謳歌した人たちでもあり、どこか行間にバブルの香りが漂う感じがした。メディアが大衆を先導する(あるいは誘導できると思っていた)時代のメディア・エリート主義的な香りといったらいいのだろうか。新聞すごい、ネットだめ、というところから感じた、これは偏見かもしれないが...。ただ、「食べログ」が「ぐるなび」を抜いたところに見られるように、1人のイブより100人の実体験に伴うクチコミの時代という気もするのだが...。
ともあれ、情報氾濫の時代に、情報を集めることよりも大切なことがある、という,この本の主張はそのとおり。その点で、こうした本を出すセンスはやはり優れている。中身は前半がいい。この本の「⑤最初が肝心」そのままかもしれない。