読売の世論調査では、日中相互不信の関係に?

読売新聞社と中国・新華社通信発行の週刊誌「瞭望東方週刊」が実施した日中共世論調査(電話方式)で、日本では現在の日中関係を「悪い」と思う人は90%、中国を「信頼できない」は87%に達した。中国側でも日中関係が「悪い」は81%、日本を「信頼できない」は79%に上った。日本側では昨年、日中関係について「良い」45%と「悪い」47%が拮抗(きっこう)していた。過去の日本側調査は面接方式のため単純比較はできないが、対中意識の急激な悪化は明らかだ。2007年からの共同調査で「悪い」の最高は08年の57%で、今回は極めて高い水準だ。中国側は昨年は「良い50%?悪い43%」だった。

 読売と中国メディアの調査でみると、日本、中国ともに相手を信頼できないと思っている。不毛な構図。尖閣列島問題が直接的な問題なのだろうが、中国には長年虐げられてきた状態から復活・勃興する大国としての奢り、日本には没落する経済大国としての僻みが背景にあって、問題が複雑化しているのかもしれない。適度な距離感をもった親しい関係になるには、ある程度、時間が必要なのだろうか。