米GMが再び上場。マーケットは過去最大級のIPOを消化

ウォール街に気の早いクリスマスプレゼント――。昨年6月の法的整理以来、1年5カ月ぶりに株式を再上場した米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)。初日の18日は34.19ドルで通常取引を終え、公開価格(33ドル)を3.6%上回った。過去最大級の新規株式公開(IPO)を無事乗り切った安心感は投資家心理を強気に傾け、米株相場全体が大幅上昇する原動力になった。

 GMが早くも再上場。経済が良いとはいえない時期に、大規模IPOなんて、どうよ、と思っていたのだが、マーケットは(とりあえずは)すんなりと消化してしまった。米国経済の再生力のシンボルみたいになって、むしろマーケットを活気づかせた面もある様子。
 しかし、経済や企業の苦境に際し、米国は外科治療、日本は薬を飲んで自然治癒を待つといった感じがする。痛みは伴っても一気に処理し、早めに回復させる米国。一方、日本はひたすら痛みを避け、病気を治そうとするが、実際には体力を失っていっている感じがする。「失われた10年」が、一時的な回復期がありながらも、「失われた20年」といったほうがいいような低迷ぶり。少なくとも株式市場は日経平均が1万円の大台を回復したといっても、いまだに1989年の最高値3万8915円の4分の1ぐらいの水準で一喜一憂しているわけだから。何だか日米の差を感じさせる象徴的な再上場劇。