ジョージ・ソロス『ソロスは警告する2009』
- 作者: ジョージ・ソロス,松藤民輔(解説),徳川家広
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/12
- メディア: 単行本
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目次で、内容をみると...
序 『ソロスは警告する』で見通せたこと、はずしたこと
第1章 私の2008年の投資実績
第2章 経済回復への処方箋
第3章 2009年の見通し
第4章 わが新パラダイムの運命
解説 松藤民輔
付録として米上院商務委員会公聴会での石油バブル規制に関する発言、フィナンシャル・タイムズに寄稿した「ポールソン財務長官に好き放題をさせてはならない」「銀行システムに資本を再注入せよ」、特別寄稿「SDRが秘める可能性」の4編が収録されている。
で、面白かった部分を抜書きすると...
まず2008年にクラッシュが起きた原因について...
第一のステップは、株式市場においては、買い持ち(ロング)ポジションと売り持ち(ショート)ポジションの間には非対称性があるという事実だ。(略)
第二のステップは、CDS証券の仕組みと、CDS市場が債券の空売りを容易にしたという事実を理解することである。(略)
第三のステップは、私がくりかえし前著(『ソロスは警告する』)で説明してきた「再帰性」を考慮に入れることだ。具体的には、金融商品の値つけを間違えた場合、本来であれば価格に反映されるはずの市場のファンダメンタルズ(価格を決定する基礎的条件)が、その誤った価格に影響されてしまう、ということである。そのような現象が最も顕著となるのは、信用と信頼に依存する度合いの高い金融機関の場合である。
なるほどマーケットからみると、そうなるのか。ソロスは規制を否定しない。では、空売りなどについて適切な規制が実行されていれば、米国のバブル崩壊は未然に防止できたか。