後藤健生『欧州サッカーを極める』
欧州サッカーを極める―その戦いと栄光の歴史 (プレイブックス・インテリジェンス)
- 作者: 後藤健生
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2003/03
- メディア: 新書
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目次で内容をみると...
1章 欧州サッカーに刻まれた歴史的記憶
2章 欧州のリーグを味わいつくす
スペイン【リーガ・エスパニョーラ】
イングランド【プレミアシップ】
オランダ【エールディビジ】
ドイツ【ブンデスリーガ】
イタリア【セリエA】
3章 欧州サッカーの未来
これらに加えて、「ヨーロッパをめざした日本人」というコラムが各章の終わりにあり、奥寺康彦、三浦知良、中田英寿、小野伸二、稲本潤一、中村俊輔、高原直泰の7人が紹介されている。ワールドカップの歴史、各国リーグの成り立ち、有名チームの由来がわかって楽しい。サッカーファンならば、みんな知っている話ばかりなのかもしれないが、素人なんで、へえ、と思いながら、読んでしまった。たとえば...
1942年のワールドカップはドイツで開かれる予定だった(東京五輪は1941年の予定だったから、日独ともに第2次大戦のときに国威発揚の大スポーツイベントを企画していたわけだ)。
1930年の第1回ワールドカップは建国100周年だったウルグアイに頼み込んで、各国の旅費・滞在費も負担してもらって開催した(それで第1回大会がウルグアイだったのか)。
サッカーという言葉は、最初の統一ルールを決めたのがフットボール・アソシエーション(協会)で、アソシエーション式フットボールといわれたところから、「association」の「soc」に「er」がついて「soccer」になって生まれたのか、トリビアだなあ。この協会式に反対し、手を使えるルールを主張したラグビー校が提唱した方式のフットボールが「ラグビー・フットボール」なのか。なるほどねえ。
チーム名も、「レアル・マドリード」の「レアル」って何かと思ったら、王室という意味なのか。王室の名前を使うことを許された由緒正しいチームなのか。リアルなマドリードなのか、と思っていた。
「ACミラン」のACも何かと思っていたのだが、「アソアツィオーネ・ディ・カルチョ」、イタリア語で「サッカー・クラブ」という意味だったんだ。イタリアでは「FC」(フットボール・クラブ)が「AC」になるわけね。
で、ACミランはもともとは英国人が作ったクラブで、これに対して英国人以外が加入した多国籍クラブが「インテルナツォオナーレ」(イタリア語で「インターナショナル」)で「インテル」になったのか。そう聞くと、わかるなあ。最初、「インテル」と聞いたときは、ITメーカーの「インテル」が氏スポンサーなのかと思ってしまった(「楽天」球団みたいな...)。まあ、イタリアにシリコンバレーが出てくるのはおかしいとは感じてはいたけど...。
このほかにも、労働者系クラブと上流階層系クラブ、地域の特色とか、欧州各国のサッカーの個性と国民性とか、面白い話がいろいろとあった。ちょっと古い本ですが、歴史が中心なので、楽しめました。古本屋さんで見つけたんだが、今度は新しい本も読んでみるか。