チュニジア独裁政権が崩壊

23年間にわたって独裁体制を敷いたチュニジアのベンアリ大統領がサウジアラビアに出国し、政権が崩壊した。物価の高騰や汚職などを背景に抗議デモを続けた国民による不満の爆発と、国民の退陣要求を無視できなくなった軍部の介入が、デモ開始から約1カ月での異例の政権崩壊につながったとみられる。ベンアリ氏は14日夕に家族と飛行機で出国。旧宗主国フランスへの入国を希望したとされるが、ロイター通信によると、仏政府当局は「(入国を)望まない」と拒否。同氏は15日未明、サウジアラビア南西部のジッダに到着した。

 チュニジア独裁国家だったのか。独裁者もまず逃れようとするのは宗主国のフランスなのか。考えてみれば、イスラムの国だが、中東・アフリカというよりも、地中海文明圏の国といったほうがいいのかもしれない。昔のカルタゴだもんねえ。確かに地図を見ていると、サウジよりも、フランス、イタリア、スペイン、ギリシャあたりのほうが近しいように見える。フランスは亡命者の逃避先というイメージがあるが、結局のところ、拒否されて、選んだ先は、エジプトでも、リビアでも、アルジェリアでもなくて、サウジか。穏健イスラム国家だったが、今回の政変で政治スタンスも変わるんだろうか。お隣りのリビアアルジェリアも激しいイスラム国家だが。
E08 地球の歩き方 チュニジア 2010~2011 チュニジアを知るための60章 (エリア・スタディーズ81) カルタゴ興亡史−ある国家の一生 (中公文庫BIBLIO)