プラトーン

 新作「ウォール・ストリート」が公開されているオリヴァー・ストーン監督の最高傑作。アカデミー賞月間の特集なのか、WOWOWで放映していたのを久しぶりに見る。オリヴァー・ストーンの映画は、陰謀史観タイプのアクの強いものが多いのだが、これは静かな怒りに満ちたベトナム戦争鎮魂歌。
 若き日のチャーリー・シーンを中心に、普段は悪役のウィレム・デフォーを善、ヒーロー役が多かったトム・べレジャーを悪に持ってきた配役の妙もあるが、この映画の成功を何よりも支えているのは、バックに流れるサミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」。この曲をテーマ曲に選んだことで映画のトーンも決まった感じがする。その結果、善も悪もベトナム戦争で戦い死んだ人々すべて、そして失われた青春と純潔への鎮魂歌としての映画になった。声高に、ではなく、静かな口調で語ることによって、ベトナム戦争に従軍したストーンの心情が痛切に伝わってくる。
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 バーバー: 弦楽のためのアダージョ 作品11 - バーンスタイン: グレイテスト・ヒッツ