- 作者: ジョージプリンプトン,George Plimpton,野中邦子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
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この本を読むと、カポーティの生涯で特に大きな焦点となるのは『冷血』と未完の大作『叶えられた祈り』。『冷血』の取材については詳細に紹介されている。カポーティは『冷血』の成功後、セレブとの社交生活に耽溺していくのだが、これも『叶えられた祈り』の取材だったとする見方もある。カポーティの母親は、上流階級に憧れ、カポーティを捨て(親戚に預け)、最後は自殺してしまう。社交界に斬り込むことは、母親がなぜ死んだのかを理解することでもあったという。『叶えられた祈り』は「市民ケーン」に出てくる「バラの蕾」(ローズ・バッド)のような気もする。カポーティの生涯を知るカギでありながら、作品の一部が発表されたものの、果たして原稿は完成していたのか、破棄されたのか、未発表部分に何が書かれていたのか、すべて謎の中にある。
故人の人生を語るのに、インタビューを重ねていくという手法は面白い。発言している人の人間性も含めて、カポーティの人生と時代を体感させてくれる。