東電が「計画停電」という名の「無計画停電」を実施。これじゃあ、計画が立たない...

東京電力は14日、地域ごとに順番に電力供給を止める「計画停電」について、第5グループの一部地域で午後5時から開始したと発表した。東電は、第5グループのうち、茨城県静岡県の一部で停電を確認したとしている。停電は最大2時間程度で、対象は33万世帯程度の見通し。東電が計画停電に踏み切るのは初めて。

 混乱の挙句、ついに「計画停電」が実施される。しかし、ここまで、やる、やらないと混乱し、さらに5グループのうち1グループ。さらに、そのなかでも一部地域の停電。東電としては、なるべく停電しないようにという「善意」なのだろうが、ここまで、その場その場で決められると、無計画と変わらない。企業は、これでは計画の立てようがない。加えて、明日からの計画もまだ出てこない。これから、どうする気なのだろう。いまは震災直後で企業活動もまだ本格的に稼動していないから、まだ余裕があるのだろうが、これからはそうも行かないだろう。細かな需要予測ではなくて、テストの意味合いも含めて実行してしまえばいいのに。
 計画が立たないことのほうが弊害が大きい。既に街は大混乱している。だいたい、今日の「計画停電」はこれで済むとして、明日の停電計画を東電が発表するまで、企業はみんな待機していろ、というのだろうか。徹夜しなければならないビジネスピープルも多いんだろうなあ。東電は「私だって寝てないんだ」と言うのかもしれないけど*1
【追記】
 福島第一原発・2号機の問題もあって、明日15日の計画停電が発表されたのは21時過ぎ。
東電 計画停電15日も実施へ NHKニュース => http://t.co/UH2oagh
 さすがに情報もバージョンアップされていて、わが町の二重記載も修正され、どのグループの所属かわかった。二重記載そのものが間違いであったことも。しかし、鉄道はどうなるのだろう。平等に輪番停電するよりも、鉄道などライフラインに関係する変電所・送電線がある地帯は停電を免除して、ほかの地域で分担するとかしたほうが、公益になるのではないんだろうか。きちんとした説明があれば、やむを得ないと思うし、今のような輪番制で鉄道を止めれば、道路の混雑も解消されず、物流も麻痺してしまうんじゃないか。むしろ、そっちが心配。既にスーパー、コンビニでの買い溜めパニックだけではなくて、ガソリンもパニック状態。部分最適と平等主義で、社会全体としての公益が毀損されている感じがする。

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*1:雪印集団食中毒事件 - Wikipedia => http://t.co/LUoWS6o