世界業界マップ2011

世界業界マップ2011

世界業界マップ2011

 日本の業界地図本はいろいろと出ているのだが、それでは、日本の企業は世界の中で、どんな立ち位置にあるのか、それも俯瞰できるマップが欲しかった。そこで見つけたのが、この本。読んでみて、なぜ世界マップがそんなに出ていないのかがわかった。思ったよりも、世界の業界マップに乗るような分野が多くないのだ。
 自動車やデジタルカメラ、プリンターなどは日本企業の存在感が目立つが、それ以外の分野となると、思ったほどではない。金融関係は脇役だし、鉄鋼、化学などの素材、食品、ビールなども名前は出てくるが、自動車ほどの存在感はない。電機、半導体も名前は出てくるが、トップではない。目立つのは、中国企業の台頭。既に、世界ランクに入る巨大企業がいくつもある。
 ただ、東日本大震災のために海外のメーカーの工場の操業に支障が出ているようには、日本には特定分野で圧倒的な力を持つ部品メーカーがある。そうした、市場規模は小さくても、キーとなる分野での世界シェアも掲載して欲しかった。そこに登場する日本メーカーは多いのではないかと思うのだが。
 ともあれ、たまには、こうした本を開いて、日本の産業の位置を冷静に観察することが大切だと思う。