東京電力の2011年3月期は1兆2473億円の赤字

東京電力は20日、福島第一原子力発電所の事故の責任をとって清水正孝社長(66)が退き、後任に西沢俊夫常務(60)が内部昇格する人事を発表した。同時に発表した2011年3月期連結決算は、事故処理費などが膨らみ、純損益は1兆2473億円の赤字に転落。日本企業の純損失としては過去最大だ。12年3月期の業績予想は示さなかったが、事故の賠償負担が重くのしかかることになる。

 国内外を問わず、巨額の赤字を計上する企業はあったが、この規模はかなりでかい。東日本大震災に伴う特別損が1兆175億円。このうち、福島第1・第2原発関連が8845億円を占める。火力の損失・復旧も497億円。こうした特別損に加え、業績の悪化に伴い繰延税金資産の取り崩しが4492億円ある。繰延税金資産は会計処理上のものとしても、震災特別損は現実に出費を伴うものが多い。米国企業の巨額損失の場合、帳簿上の処理から発生した損失みたいなことも多かったが、東電の場合は空前絶後の巨額実損かも。まあ、東電の場合も、どのぐらいの数字にするのか、国のカネを引き出す上での駆け引きも相当あったのだろうけど。
東京電力「2011年3月期決算 説明会資料」 => http://bit.ly/jqIZtU

週刊 東洋経済 2011年 4/23号 [雑誌]

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