東電本社の注水中断指示は、官邸がそういう「雰囲気」だったから。空気を読んだのか...

東京電力の武藤栄副社長は東電本社が注水中断を吉田所長に指示した理由について、震災発生直後から首相官邸にいた武黒一郎同社フェローから「具体的な施策まで首相が判断する雰囲気があり、首相の判断がない中で注水を続けるのは難しい雰囲気だ」との説明があったことを明らかにした。

 昔々、山本七平に『「空気」の研究』という本があったが、東日本大震災原発事故の危機的な状況にあっても、日本は「空気」の世界だったのだ。東電の本社が現場に注水中断を指示したのは、官邸がそういう「雰囲気」だったから...。要するに、空気を読んだ...。福島原発の所長さんは「KY」だったということか。しかし、「空気」で大東亜戦争に突入した日本は、原発事故への対応を「空気」で進めていた。組織原理というのは変わらないのだなあ。山本七平が生きてたら、追補版で福島原発の話を書き加えていたりして。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))