国際会計基準の適用先送り。ローカル化へ逆走?

自見庄三郎金融相は21日、国際会計基準(IFRS)の日本企業への強制適用を延期する考えを表明した。早ければ来年までに適用を最終決定するが、5-7年程度の準備期間を設ける方針で、実際の導入は2017年以降になる。東日本大震災の発生に加え、米国で導入を先送りする動きがあることなどに配慮する。▼自見金融相は閣議後の記者会見で「15年3月期の強制適用は考えていない。会計の国際化の必要性を疑うものではないが、国内外の情勢をかんがみる必要がある」と述べた。16年3月期で使用終了としていた米国基準の使用も延長する。

 国際会計基準をめぐる攻防は結局、反対派の巻き返しの前に先送り。これも東日本大震災に便乗した守旧派の巻き返しだろうか。ここへきて、ものすごい反IFRSキャンペーンだったし...。まあ、強制適用する必要があるかどうかというと、グローバルマーケットから資金調達しない企業ならば、必要ないのかもしれない。しかし、その場合は、資本市場には依存しないという覚悟がいる。いまは個人金融資産大国の日本だが、いずれ世界の資金に依存しなければならなくなる。そのときに世界の投資家が評価できる会計基準になっていなければ、オカネを集めることなどできなくなってしまうだろう。自分だけの世界に引きこもって問題を先送りし、国際会計基準戦争から逃げまわっているうちに、東京はアジアの地方市場になってしまうのだろうか。
国際会計基準:強制適用先送り 国際対応より震災優先 - 毎日jp(毎日新聞) => http://bit.ly/iOmcsf
★日本企業は「国際競争」から脱落する 自見金融相が主導する「国際会計基準IFRS」導入先送りへの懸念 これまでの方針を「政治主導」で一転 - 現代ビジネス => http://bit.ly/kDRw5E
IFRS強制適用延期はなぜか、その背景を探る - IFRS 国際会計基準フォーラム => http://bit.ly/imeXvi

国際会計基準戦争 完結編

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