松本復興担当相が辞任。会見では、なぜか、カズオ・イシグロの本が

松本龍復興担当相は5日午前、首相官邸菅直人首相と会談し、復興相を辞任する意向を伝えた。東日本大震災の被災地を訪問した際、知事に対し「知恵を出さないやつは助けない」などと発言したことが批判を浴び、引責した。

 松本復興担当相が辞任。あっけなかった。昨日の昼までは、発言に問題があるとは思わないと言っていたのが、今日はテレビでみると、涙目で辞任会見。涙目になるぐらいならば、宮城、岩手での言動は何だったのか、と思ってしまう。いっぱいいっぱいの人だったのだろうか。余裕がないから、変になってしまう(人間性が生のまま露呈されるともいえるが)。結局、危機対応の人ではなかったのかもしれない。
 で、ひとつ会見で印象に残っていたのは、カズオ・イシグロの「Never Let Me Go」をあげて、大臣辞任後も被災者のもとを離れないと話していた。しかし、「Never Let Me Go」を直訳すると「私を行かせないで」だから、私を大臣の座から離さないで、にも聞こえてしまう。ちなみに、この本、邦訳は「わたしを離さないで」。被災地の人たちに、私は「君たちを離さないで、いつまでも一緒にいるよ」と言いたかったのだろうが、このあたりも、ちょっと舌足らずな感じでした。
【やぶしらず通信・関連ログ】
・進む政治家の小鉢化。松本復興相は、被災地で「小鉢パワー」全開(7月4日) => http://bit.ly/jvyNqM

Never Let Me Go (Vintage International)

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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

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