93人が連続テロの犠牲となったノルウェーで、最高刑である禁錮21年は軽過ぎるとして、アンネシュ・ブレイビク容疑者(32)に死刑や終身刑の適用を求める声が広がり始めている。▼同国では1979年に死刑が全廃されており、どんな重罪でも収監は原則21年まで。今回のテロ事件に当てはめると、最高刑が適用されたとしても1人の殺害につき刑期は82日ということになる。
ノルウェーの大量殺人テロ、死者は93人に及んでいるが、死刑も終身刑もない同国では、刑罰は最高でも21年。この話、事件発生直後から、CNNやBBCでは放送していたが、さすがにノルウェーでも疑問の声があがっているらしい。死刑制度をとらないのはわかるとして、終身刑もないのか。21年ということは、犯人は2032年、53歳でシャバに出てくることができる。これでは、遺族は納得しないだろうなあ。犯人は殺人は認めながら、必要なことだったと無実を主張しているらしいが、罪を認めても、認めなくても、反省しても、しなくても、21年なのか。
極右の犯人は、移民排斥の論議を巻き起こしたいのかもしれないが、むしろ死刑論議を復活させたりして。社会が安定し、凶悪犯罪は限定されているということが前提条件の国家だったのだろうが、その社会の基盤そのものが壊れてしまったのかもしれない。
【追記】
BBCやCNNのノルウェー・レポートによると、再犯の可能性がある場合には、裁判所は刑期を定めずに収監できるらしい。というわけで、犯罪の重大性と、殺した後も笑っていたとか、殺人は認めながら無実を主張しているとかいう状況を考えると、現実には無期懲役という形の終身刑という可能性があるらしい。
- 作者: ジャン=マリカルバス,Jean‐Marie Carbasse,吉原達也,波多野敏
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