山口県・光市母子殺害事件の元・少年に死刑が確定。最高裁が上告を棄却

山口県光市で99年に母子を殺害したとして殺人や強姦(ごうかん)致死罪などに問われた当時18歳の元少年(30)の差し戻し上告審判決で、最高裁第1小法廷=金築誠志(かねつき・せいし)裁判長=は20日、被告側の上告を棄却した。小法廷は「何ら落ち度のない被害者らの尊厳を踏みにじり、生命を奪い去った犯行は冷酷、残虐で非人間的。遺族の被害感情もしゅん烈を極めている」と述べた。無期懲役を破棄して死刑を言い渡した広島高裁の差し戻し控訴審判決が確定する。

 13年の歳月を経て、光市母子殺害事件を起こした18歳の少年、いまは30歳のおじさんに死刑が確定。第一審で無期懲役の判決が出た時に、はしゃいだのが命取りになったともいえる。最高裁で死刑判決が確定したことが、メディアは一斉に実名報道を開始、被告との接見インタビューの内容や少年の過去を写真入りで紹介したりしているが、それでも、なぜ、この事件を起こし、反省も何もない、はしゃいだような手紙を出したりしたのか、なぜ、裁判の最中に発言を変え、ドラエモンまで登場する奇妙奇天烈な弁論を展開したのか...。わからない...。人間はそれだけ不思議な存在なのだろうか。
 一方で、この事件が被害者の人権を見直すきっかけとなり、刑事事件のあり方を変えることにもなると同時に、裁判員裁判への流れをつくっていたといえるかもしれない。

なぜ君は絶望と闘えたのか

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