米国でも若者は自動車離れ。若者の46%が車よりもインターネット

 GMが2011年に過去最高の決算をあげるなど、米国の自動車産業も回復してきたが、足元の米国市場は、日本と同じように若者の自動車離れが進んでいるらしい。ニューヨーク・タイムズに、こんな記事が出ていた。

There is data to support Mr. Martin's observations. In 2008, 46.3 percent of potential drivers 19 years old and younger had drivers's licenses, compared with 64.4 percent in 1998, according to the Federal Highway Administration, and drivers ages 21 to 30 drove 12 percent fewer miles in 2009 than they did in 1995.

 1998年には、潜在的なドライバーとなる19歳以下の若者のうち64.4%が免許を持っていたのに、それが2008年には46.3%に低下してしまった。さらに、21歳から30歳という最も活動的と思われるドライバー層の走行距離をみると、2009年は1995年に比べて12%減っている。うーん。経済的な影響か、それとも米国人も内向き志向か。さらに、こんな数字が...

Forty-six percent of drivers aged 18 to 24 said they would choose Internet access over owning a car, according to the research firm Gartner.

 18歳から24歳のドライバーのうち46%は、自動車を所有するよりもインターネットにアクセスするほうを選ぶ。米国のような広大な国、フロンティアを求める移動社会にあっても、自動車離れが進んでいるのだ。車よりもインターネットだと。リアルなフロンティアではなくて、バーチャルなフロンティアを求めているのか。ともあれ、もはやデータを見ても、自動車はヤング・カルチャーの中心ではなくなってしまった。青春のアイコンではなく、単なるモノのひとつになってしまった様子。自動車にあまり関心がない。いまや自動車販売の中心テーマが中国になってしまったのもわかる。実際、GM復活の舞台も中国。
 とはいえ、米国が巨大市場であることも確かで、GMとしても手をこまぬいているわけにもいかないようで、米国の若者の関心を再び引き付けるために、MTVとの知恵を借りようとしているというのが、この記事の内容。この同じデータを使った若者の自動車離れ現象については、米ABCテレビもレポートしていて、そちらでは、自動車メーカーがFacebookの活用に力を入れているという話を紹介していた。若者の自動車離れに対するマーケティングの解は、もはやテレビCMやお洒落な雑誌広告ではなく、若者にターゲットを絞った音楽放送チャンネルのMTVであったり、SNSなどのネットの活用なのだな。テレビ、新聞は中高齢層のメディアになってしまって、訴求しないと見切られている様子。
 で、自動車メーカーとしては、先進国での若者の自動車離れ、新興国の低価格車需要増への対応というのが経営的なテーマになっているということを改めて感じるニュースでした。
GMの2011年通期決算…過去最高益 | レスポンス (ビジネス、企業動向のニュース) => http://bit.ly/GJGVHC
★米GMの2月中国自動車販売台数、前年比+30.4% | Reuters => http://bit.ly/GNY0Sb
★New Auto Dilemma: Young Consumers Want Their MTV, Not A GTO - Stocks To Watch Today - Barrons.com => http://on.barrons.com/GNY3gV

 ※ 自動車メーカーにとっては、こんな時代が懐かしい?