中島茂『その「記者会見」間違っています!』

 副題に『「危機管理広報」の実際』。不祥事、事故、災害など危機にあたって、どのように企業広報で対処すべきなのか、組織づくり、ポジションシートの作成、記者会見の段取り、発言例など、実務に即して詳細に解説されている。実例が豊富で、ノウハウも記者会見の進め方、記者・カメラマンの席の配置例など、ともあれ細かい。
 目次で内容を見ると、こんな感じ。

第1章 世間の「反感」は企業の致命傷!
第2章 「反感」から「好感」へ
     ーー好感を得られるような企業の「本質」を備える
第3章 なぜ広報が必要なのか 「伝える決意」
第4章 「初期対応」が会社の死命を制する
第5章 危機管理広報のポイント 「伝える技術」
第6章 リーガル・チェックの必要性
第7章 記者会見の準備
第8章 記者会見の実際

 東電やオリンパスも、この本を読んでおけばよかったのに。ただ、企業の本質以上のことは伝えられないので、まず「コンプライアンス体質」を鍛えあげなさい、というのが、この本のスタンス。東電にしても、オリンパスにしても、問われているのは本質ということにもなるのだけど。