日本経済新聞が5月14日から紙面刷新するのだとか。ネット時代対応というか...

 日本経済新聞に、5月14日から朝刊を大紙面刷新するという記事が出ていた。朝刊1面の左側に、ウォール・ストリート・ジャーナルみたいにダイジェストが載る形になるらしい。ダイジェストを増やすというのは、インターネット時代に対応して、長い文章を読めなくなっている読者層を取り込むための努力なのだろうなあ。で、このお知らせを見ていて、ちょうど読み終わったニコラス・G・カーの『ネット・バカ』のこんな一節を思い出してしまった。

 新聞のデザインも変化している。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙や『ロサンゼルス・タイムズ』紙のような大新聞を始めとする多くの新聞が、記事を短くし、内容にざっと目をとおしやすくするため要約の数を増やしている。この種のフォーマット変更は、新聞業界が「インターネット時代、つまりヘッドライン時代」に適応した結果であると、ロンドンで発行される『タイムズ』紙の編集者は説明する。2008年3月、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、毎号紙面の3ページを、記事の要約と他の短い読み物にあてると発表した。こういったかたちの「ショートカット」のおかげで、多忙な読者は、その日のニュースの「雰囲気」を手短に感じ取り、紙面をめくって記事を読むという「あまり効率的ではない」方法を採らずに済ますことができると、紙面構成責任者のトム・ボドキンは説明した。
 この種の物真似戦略は、印刷物からオンライン・テクストへと読者が流出するのを止めることに、それほど成功していない。1年後ーーそのあいだにも発行部数は減少を続けたのだがーー『ニューヨーク・タイムズ』紙は、紙面刷新の大部分をひっそりと取りやめ、記事の要約の分量を1ページ以内に収めるようになった。ウェブと同じやり方でウェブに対抗するのは勝ち目のない戦いだと理解し、逆の戦略を採用することにした雑誌もいくつか出てきた。シンプルでまとまりのあるデザインで、比較的長い記事を掲載するやり方に戻ったのである。2008年、『ニューズウィーク』誌は誌面を徹底的に見直し、エッセイとプロの写真に充填を置き、厚く高価な用紙を使用するようにした。ウェブの慣例と相容れないやり方を採ることで、さらに読者の数が減少することになる。『ニューズウィーク』は新しい紙面構成を発表すると同時に、広告主に約束した260万部から、150万部へ発行部数を削減すると宣言していた。

 新聞、雑誌は、みんな試行錯誤なのだなあ。で、日経の作戦はオーソドックスだけど、まだ戦果をあげている新聞社もなさそうだから、チャレンジだなあ。ちなみに、ニューズウィークもこの後、売却されてしまうのだから、この伝統回帰戦略がうまく行ったわけでもない。難しいなあ。
 で、日経の紙面を見た限りでは、活字世代のオジサンには、学生向け新聞みたいなチャラさを感じてしまう。まあ、紙面の体裁がどうこう言うより、きっちり取材した正確な分析記事や調査報道をもっと読んみたいけど。
★〈お知らせ〉朝刊、5月14日から新紙面 - 日本経済新聞 => http://s.nikkei.com/I0L0rp
★日経「新紙面の詳細を見る」PDF => http://s.nikkei.com/I0L5LK

ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること

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