JPモルガンが1600億円のディーリング損。マーケット次第では、さらに損失拡大も

米金融大手JPモルガン・チェースが過去1カ月半で計20億ドル(約1600億円)のディーリング損失を被った上、この第2四半期中に各種金融市場の乱高下でさらに損失が10億ドル(約800億円)増える可能性があることが分かった。(略)この損失は、同社のリスク全体を管理する最高投資戦略室が行った金融派生商品での取引で生じたものだ。この取引は債券市場を大きくかく乱し、「ロンドンのクジラ」と呼ばれていたが、ウォール・ストリート・ジャーナルは先月、その正体は、この戦略室が行った大規模な投資であることを報じていた。

 金融界の巨人で、リスク管理が徹底しているといわれるJPモルガンでさえ、ディーリング損で、これだけ巨額の赤字を出すことがあるのだな。加えて、損失はマーケットの動向次第では、さらに5割増しになる恐れもあるという。で、金融投資のヘッジに使っていたという「クレジット・デフォルト・スワップCDS)」取引の失敗が原因だという。また、CDSか。リーマン・ショックの時もCDSが話題になっていたけど。投機に走りがちな大手金融機関に対する規制を強化すべきだとするボルカー・ルールを潰そうと、JPモルガンをはじめウォール街はロビー活動を強力に進めてきたわけだけど、その急先鋒が自らルールの必要性を見せつけてしまった感じも。
★「ロンドンのクジラ」、正体はJPモルガンCDSトレーダー - WSJ日本版 => http://on.wsj.com/IHl8RR
★【コラム】巨大銀行は大き過ぎて管理不能JPモルガン損失の教訓 - WSJ日本版 => http://on.wsj.com/IH1NQE
★ボルカールール推進派:JPモルガン損失で規制の必要再認識 - Bloomberg => http://bit.ly/IHJwTh

モルガン家(上) 金融帝国の盛衰 (日経ビジネス人文庫)

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