西部謙司『サッカー戦術クロニクル』
- 作者: 西部謙司
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2008/07/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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サッカーの戦術の勉強になる本。一つの戦術が編み出され、一般化し、対策が練られ、次第に効力を失っていく。そして、その対策に対応した戦術がまた新たに生まれる。進化の歴史なのだなあ。チェルシー時代のモウリーニョ監督が何をやったのかということも、この本を読んで初めて知った。2008年の本なので、グアルディオラのバルセロナについては言及されていないが、ACミラン、アヤックス、バルセロナ、レアル・マドリード、アーセナルといった名門クラブ、さらには、オランダ、ブラジル、アルゼンチン、イングランドなど各国のサッカーの歴史がわかる。
目次で内容を見ると…
Chapter 1 時計じかけのオレンジ
Chapter 2 ACミランのルネッサンス
Chapter 3 バグンサ・オルガニザータ
Chapter 4 天才ヨハン・クライフの挑戦
Chapter 5 アルゼンチンとマラドーナ
Chapter 6 ジダンとアヤックスの時代
Chapter 7 ギャラクティコ
Chapter 8 モウリーニョの4-3-3
Chapter 9 ハードワークの現代
Chapter10 トータルフットボールの起源
「時計じかけのオレンジ」はオランダ・チーム。「バグンサ・オルガニータ」はブラジル、「ギャラクティコ」は銀河系軍団、レアル・マドリード、「モウリーニョの4-3-3」はチェルシー時代の戦術解説。「トータルフットボールの起源」はオーストリア、ハンガリーなど欧州大陸のサッカーの進化に大きな影響を残したスコットランド人コーチ、ジミー・ホーガンを中心とした物語。 トータルフットボールの伝道師というと、ヨハン・クライフを思い浮かべるのだが、その前に、ジミー・ホーガンがいたのだな。そして、スコットランドのコーチングスクールで、クライフの天敵とも言えそうなモウリーニョが学んでいたというのも、何だか奇縁だなあ。